研究テーマ

超高速無線伝送方式

  • 超高速無線伝送方式について、特に空間多重伝送技術に関する研究を行っています。 空間多重伝送技術とは,周波数利用効率の向上を目指して,同一周波数において異なる 情報を多重伝送する技術であります。特に,複数の送信アンテナから異なる情報系列を並列送信し、 複数の受信アンテナで各情報の分離受信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術として 注目されております。MIMO伝送は、送信アンテナ数にほぼ比例した高い伝送容量が実現できると 期待されております。しかし、無拡散の同一周波数信号を分離することは容易ではなく、 分離受信のためには高度な無線信号処理技術が要求されております。 本研究は、高速・大容量無線通信システムを実現させる為、解決が必要な膨大な計算量と処理遅延の問題を、 簡単な演算により計算量削減と高速処理を可能にする新しいアルゴリズムの研究に 取り組んでいます。図はCISCO社のMIMO概念図です。

MIMO概念図

地理位置情報推定

  • 位置測位技術はGPS信号を利用することで、屋外では数mの誤差で推定することが出来ます。 しかし、屋内ではGPS信号を受信するのが困難であり、また位置測位開始までに時間がかかるなどの問題があります。 そのため、屋内における正確な位置測位技術の改善は必要不可欠となっています。更に近年、 様々なアプリなどにも位置情報が必要となるため、屋内における正確な位置測位法の研究開発が盛んに行っています。 本研究室では周辺によく見かける無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイントから発信される電波情報を用いて 位置認識を行う方法を研究しています。

WiFiを用いた位置情報推定

可視光通信システム

  • 投光用LED の発光強度を入力信号により変化することで情報の伝達を行うシステムです。 そのため、基本的に振幅のみ、位相情報を送ることはできないです。 その理由から4値パルス位置変調などが変調方式として一般的に利用されています。 近年、伝送速度の高速化を目指してOFDMなどマルチキャリア信号を用いた研究開発が行っています。 OFDM信号を伝送する際、平均電力とピック電力の差が大きくなるため、 充分なダイナミックレンジを得ることが困難であります。 投光用LED の発光強度は入力信号から変換された駆動電流により変化されます。 しかし、駆動電流と出力電力の関係はLEDにより異なる非線形特性を示します(下左の図参考)。 特に、安価で可視光通信に多く利用される赤色LEDは正規化入力駆動電流が0.2~0.8付近で大きな 非線形特性を示します。そのため、下右の図のように無線通信に利用される従来OFDMと比べLEDを 用いた可視光OFDMは平均電力とピック電力の比(PAPR)において約2dBが多く発生しており、 システム性能の劣化を起こしています。この問題を改善するため、送信信号の一部をクリッピングする方法が 提案されています。しかし、送信信号をクリッピングすることは更なる非線形成分が発生することを 意味するため、ビット誤り率の悪化となります。ビット誤り率の悪化を伴わない最適なクリッピング手法や 投光用LEDの非線形周波数特性の補償法、更に太陽光などの強い干渉下での最適な信号検出法の検討などは 難しい課題であっても、可視光通信システムの高性能化には必要不可欠な研究課題でもあります。 本研究室では、上記の問題を解決し、可視光通信システムの高性能化を目指して、非線形特性補償法と 最適なクリッピング法の研究を行っています。

LEDの非線形特性と従来OFDMと可視光OFDMのPAPR特性

無線電力伝送システム

  • 情報通信技術が急速に発展し、ユビキタス情報社会への期待が高まっております。 これに伴い、ユビキタス情報技術を支える新しいエネルギー源の開発が不可欠となっております。 近年、無線による電力伝送技術がエネルギー問題を解決する一つの方法として様々な研究・開発が 行われております。本研究は、マイクロ波無線電力伝送技術に注目し、 ユビキタス情報機器の新しいエネルギー源としての実現する事を目的とし、 高効率・高性能化と今後、電気自動車(EV)のエネルギー充電技術などの応用を目指して 研究開発を行っております。以下の図は試作したマイクロ波無線電力伝送装置であります。

試作したマイクロ波無線電力伝送装置